イタリアで車を買う その4
買った車の鍵。 鍵穴に差し込む部分の形、変ってませんか? それとも最近はこんなんなの? でもこの車、もう10年以上前のモノだし。。 日本ではこんな形の車の鍵って見た覚えないですが、ヨーロッパでは一般的なのかしらん? さて、通り越してはいたけど通らなきゃいけない 『関門1b』 の必要書類を集める ですが、今回その場に持っていないのは戸籍。 ・・・> このシリーズの目次はこちら でもこれは日本から出てくるものですからね、ちょちょぃと手続きをし、外務省で公印証明を受け、10日と経たずに手元に届いたわけです。さすが日本、グッジョブ! 実はこの時点でそもそも英語で申請しておけば、ここもあっけなく突破 だった気もするのですが、イタ語じゃなくて英語でもいいよ と言われたのが既に日本語で申請してしまった後だったので、手元に届いた戸籍は日本語のもの。 どうせ訳すならイタ語だろう ということで、イタ語に訳す方法を調べ、役所に勤める知人の奥さんに相談したところ、選択肢は2つ。 1. ローマにある日本大使館で訳してもらう。 2. どっかに翻訳を頼んでそれをTribunale(裁判所)で Dichiarazione(証明?) してもらう。 1に関しては、ローマの日本大使館に問い合わせたところ、かかる時間は1日(朝提出、夕方受け取り)で費用は7ユーロ+marca da bollo(収入印紙)。ただしローマまでの往復の交通費がかかる。 2に関しては、近くに1つ翻訳してくれるところを聞いたので問い合わせてみたら、以前数ヶ月イタ語を習っていたことのある語学学校兼翻訳業もやってるところ。 ここに詳しいことを聞いたら、翻訳料100ユーロ+marca da bollo(収入印紙)+Dichiarazione代 でかかる日数は3-4日。 もうこの時点できっぱり1を選んでよけばよかったんですけどね、、、 2を断るために日本大使館の話をしたら、2の相手が知り合いだったこともあり「だったら値段負けるわよ、いくらならいいの?」 と。 それでもローマに行く用事もあるし となんとか逃げようとしたものの、ローマまでの交通費がいくらで、これこれこうで・・・ 「50ユーロ+marca da bollo(収入印紙)にしてあげるからいいでしょ?何が問題なわけ?」 と。 ここまで言われて断るに断れず(弱い)、実際その時点でローマに行く用事もなくなっていたのと、ここまでの過程が予想に反してとんとん拍子に進んでいたことでちょいと気も緩んでいて、ここにお願いしたわけでした。 でもね、この時点で不安だったんですよね。 一体、誰が翻訳するの? と。 だってこの辺り、日本人皆無ですから。 日本語わかるイタリア人がやるとしても、漢字で書かれた人名・地名だらけの戸籍なんてちゃんと訳せるのかなぁ? と。 まぁ、こういう仕事は近くに住んでなくてもできるものでしょうから、どこかの日本人に依頼するのかもしれないけど、私を含め私の家族の名前の漢字って、ちょっと難しかったり、ヘンな読み方したり で、日本人でもちゃんと読めない人多いんですよね。 で、悪いかな と思いながら聞いてみたんですよ、誰がやるの?と。 そしたら一瞬の沈黙の後、ちょっとムカついた感じの声で「大丈夫よ、心配しないで」と一言。 そう言われたらこちらも余計なことも言えないし、仮にも相手はプロなわけですからね とそのまま黙ってお任せしたわけです。 で、数日後、受け取りに行こうとしたら・・・ 「ちょっと手違いがあって後数日かかる」と。 役所には特にその書類を急いで出す必要もないと言われてたので(ってのもすごいが)、そうですか ってことでその数日後に取りに行き、中身をさらっとみたら・・・ 間違いだらけ。 ・戸籍主の名前が、書かれている場所によって違う。 ・家族の名前(読み方)が違う。 ・住所が違ってる。 ・兄弟の生年月日が1800年代生まれになっている。 などなど。 どーせ役所だって形だけだろう とこのまま出しちゃうか?とも思ったんだけど、その後あるかもしれないトラブルと、それなりのお金を払うことを考え、その場で間違ってる旨を伝えて受け取り拒否。 その時居た受付の姉ちゃんは「私は何もわからない」とイタリア人お得意のセリフで逃げるので、じゃぁ後でわかる人に連絡させて と。 そして翌日、1日待っても連絡がこないので携帯へメッセージ。 返事がないので電話をしたけど繋がらず。 メールで具体的に正誤点を送るも返事は来ず。 約1週間後やっと連絡があり、「この前のは最終版でなかった」とのこと。 最終版じゃないのになんで裁判所で証明取ってくるよ と思うもそこには触れずにオトナの対応。 そして「他にも間違いがあったので直した。それを送るからチェックしてくれ。再度裁判所の証明にかかるお金はこちらで持ってあげるから心配しないで」とのこと。 最後に関しては、そんな押し付けがましい言われ方されるまでもなくとーぜんだろ と思いながら一応ありがとうと言っておき、この修正版をチェックすると、、、 前回正しかったところまでが、間違って書かれている。 とりあえずこの時点で、既に最初の出来上がり予定日より1ヶ月以上遅れてたんですね。 もう面倒だからこのまま行きますか? とも思ったけど、実はこの時点でこの必要書類を待たずに、既にレジデンツァが取れていた上、役所からは特に急ぐ必要もないと再三言われてたので(そんなんアリ?)、やっぱりここまでやったらちゃんとやってもらいましょう と思い直す。(もう半分意地) と言っても、これに対し正誤表を送ったところで、またあってるところまで変えてきかねないし、相変わらず間違いも多かったのでもう、悪いかな とは思ったけど送られてきたワードファイルを直接いじって、ガンガン書き換えてメールで送り返しました。 「悪いけど直接直させてもらった。これでOKのはず」 と。 そしてそのまま1週間以上連絡がなく、 データ受け取った?とメールしても返事がなく、 携帯メッセージ送っても返事がなく、 電話しても繋がらず、 更に1週間くらいたって、その後の進捗教えて とメールや携帯メッセージしても連絡がなく、 電話しても出ず・・・ ばっくれられましたか? と思い、この会社を紹介してくれたイタ人に相談したらその人が電話で話してくれ、いついつもう一度電話するように と。で、電話したら個人の携帯にも関わらず違う人が出て、こちらの名前を言うなり、本人は今いない、書類はいついつどこどこにできてるから取りに行って と。 結局今回の内容は正しかったわけですが(私が書いたんだから当たり前だけど)、請求された値段を見ると収入印紙が2枚分になっている。。。 この期に及んで、更にかよ・・・ と思うもそこはぐっと堪えて、こっちはいくら と聞いているから確認して と受付の姉ちゃんに確認させ、結局元々私の聞いてた値段の50ユーロ+収入印紙代を払ってやっと受け取り。 っていうかこの翻訳料50ユーロってのも、最終的に私がやったのに払う必要あるわけ?って感じもしたけどさ。 ということで、最終的にこの書類を受け取ったのは、当初の予定を2ヶ月近く過ぎてからでした。。 これ、もし日本だったら、事の内容にかかわらず「そんな会社アリエナイ」ってなると思うけど、周りのイタ人友達に話しても割とフツーの反応。イタリアは何をやるにも時間がかかるからねぇ~ というセリフと共に、似たような話が出てくる出てくる。。。 品質に関する言葉で QCD(Quality:品質、Cost:価格、Delivery:納期) ってのがあるけど、この3つを見事に全て外してるっていうのは、ある意味ご立派。こういう会社がこの競争社会で生き残れてるところが不思議 と思ったけど、そういやイタリアって競争社会じゃないんだった。 イタリアという国が、発展しないわけだぁね。。。
by maccarello
| 2008-09-17 02:26
| イタリアーナへの道
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Comments(8)
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Mizu
at 2008-09-17 11:18
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あ~ありえなさすぎ・・・。 おまけに要所要所の自己中ぶり、呆れて怒りを通り越しますよ。
古代ローマ時代に、”発展”しきってしまったんですかね? 笑 それにしても、さばえさん、大人の対応すばらしい・・。私だったら、まず途中でぶちきれてます・・・。(何も生まれないと判っていても) とにかく自分の目的を達成する為には、強い意志と行動あるのみなんですね。
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トーです。
at 2008-09-17 22:15
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アドレナリン出っ放しですね。もしかしてこれが原動力!?とにかく、がんばれー\('o')/ ← って何をがんばるの?
ところで、QCDって第一に品質、第二にコスト、第三に納期だと思うけど。経営の話じゃないの?これをはずしたら自由競争の中の企業としてはやっていけないでしょうねぇ。 イタリアってもしかしてユートピア?競争がない社会だったりして。^^;でも、バイクレースやラリー、F1でもイタ車は強かったりしませんか?ラリーでは、ランチャーストラトス(古い)なんか常勝車でしたよ。かっこいいし。 まぁ、会社によってと言うことで。^^; ちなみに戸籍謄本がなぜ必要なんでしょうか?普通に考えたら、イタリアに住んでる人の分を証明できる抄本でいいような。甘いかな^^;
読んでるだけでムカムカ、イライラしたんですけど。。。
でも、部外者が「こうすればいいじゃん。」って言ってもそうはいかないんだろうな、っていうのも分かるような気がする。 よく「まぁ、私も○○すれば良かったんだが。」って書いてあるけど、日本においてはそうすべきってことが違う社会だとなんか違う方向へ自分までも動いてしまう、思ってしまう、考えてしまう、というのはすごく分かるような気がします。 それがカルチャーショックというものなんだろうな。
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maccarello at 2008-09-18 01:03
Mizuさま:
古代ローマで発展したきり止まってて、周りがとっくにそのレベルにいない ことに気付いてないのか。。 でもこういうのって、国に限らず人でもありますよね。 一度トップに立ってしまうと、そこにあぐらをかいてしまう というか。。 私もともと短気だったんですけどね、ここで鍛えられてる気がします。 なんつーかもう、このまま悟りひらける?みたいな。。
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maccarello at 2008-09-18 01:04
トーさま:
アドレナリン出てるの、私だけじゃないと思いまっせ。:) QCDって経営の話なんですか?実はあんまり詳しくない。 でもよく聞くので使ってみた。;p 最近思うのはね、イタリアは竜宮城なんだと思う。 ここに居ると難しいこととか何も考えなくてもいい気がしちゃって、 なんだか楽しいの。地上に帰りさえしなければね って感じ? そんでね、イタリアってば競争社会じゃないみたいですよ。イタリア人もよくそう言ってるけど。じゃぁ何かというと、コネ社会なわけっすよ。 F1とか詳しくないけど、今じゃぁフェラーリのドライバーも外人、デザイナー長も外人 で、会社がイタリアにある ってだけで、実質重要な点を握ってるのはイタリア人以外 という話も聞きましたよん。 で、戸籍はね、何故か親兄弟全員のが書かれてるもの と言われたのですよ。なぜだかは知らん~。 突っ込むとまた話がややこしくなるだけだろうし、はいそうですか と受けといた。:)
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maccarello at 2008-09-18 01:14
ねりおくん:
どうもね、回路の作りが根本的に違うらしくて、普通ここに1を入れたら ここは3になるだろ ってところが800になったりしてね、動作が根本的に 違う感じ。 ~したらよかったんだけど っていうのは、結果論なんだよね。 今思えば、こういう手もあったか って思うんだけど、その時はこっちの 方が正解だと思った とか、周りの反応から見るにここではこうするべき なんすか? みたいな感じで常に手探り? ま、予想した答えがでなくてそこが面白い とも言えるけど、そういうとこに 面白さを感じてしまうところがダメンズの所以だよなぁ とか思うと沈む。。TT
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at 2008-09-18 23:12
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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maccarello at 2008-09-19 01:28
初めっから無理してでも日本大使館に頼めばよかったんですよね、きっと。
だってあそこなら日本だし。:) 1日で出てくるし、待ってるあいだローマ観光でもしてればよかったんだろうなぁ。 やっぱりあそこできっぱり断る力をつけなければ。こんな弱腰ではいけない と今回学びました。(え?そこ?) コメヴァって、ミラノやローマ行くともらってきますけど、この辺では手に入らないので2,3度しか読んだことありません。^^; 以前東京のイタリア大使館からもらった、指定翻訳会社のリストは持ってるんですけどね。今回はそこまでしなくてもいいのかな と思っちゃったんですよね~。 |
イタリアのトスカーナ、マルケ、スペインのバルセロナと周って、8年ぶりに戻った日本は信州から。
by さばぇ
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