いたりあ~なへの道
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イタリアにおける労働者の待遇
なんだか日本から帰ってきてから、すっかりblog更新意欲を失っている今日この頃。
ということで、前に書きかけてたのが見つかったのでそこから。(手抜き)

かなり旬を過ぎてしまいましたが、日本でもニュースになっていたと思われるアリタリア。
ちなみに今の旬は、学校の先生達のストライキ&抗議デモ。

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このニュース、イタリアではさすがにしょっちゅうTVでやってますが、あまりにしょっちゅうゴタゴタしてるのでだんだんワケがわかんなくなってきます。
なのでちょいとまとめてみると、今までの経緯ってこんな感じ?

もうずっとずっと、経営不振と言われていたアリタリア。
いつ潰れてもおかしくない という状態の中、今年(2008)の春、まだプローディ政権の頃に政府が国有株売却を表明、事実上エールフランスが買収 という再生案がまさに通ろうとしていたその時に・・・、ベルルスコーニ再選、エルフラ買収案が消滅。

漏れ聞いた話によると、エール・フランスがアリタリア買収後に建て直し案として出していた項目に、『ミラノのマルペンサ空港閉鎖』というのがあったのだとか。
イタリアって、主要空港がミラノとローマの2ヶ所にありますが、その他のヨーロッパの国って、通常1ヵ所ですよね。フランスならパリ、イギリスならロンドン と。
特にエルフラとアリタリアが合併となると、パリとミラノなんてそんなに遠くないし、2ヶ所もいらないでしょ とのことだったらしい。
で、これに噛み付いたのがベルルスコーニ。
なんと言っても彼のお膝元ですからね、ミラノは。
「アリタリアを外国に売り渡していいのか?イタリア人の手で再建させようではないか!」みたいなこと言って選挙に勝ち政権復活、結局エール・フランスの買収案は白紙へ。

エルフラにしたって、赤字まみれで人員カット案にも合意せずストばかりしてる労働組合を抱えたアリタリアを、喉から手が出るほど欲しい ってわけではなかったでしょうしね。

ベルルスコーニ政権が復活後、アリタリア再生に特別予算を組んだりしてなんとか持たせていたわけですが、そんな小手先のことでは長くは持たず、今年の夏には事実上破産宣告。建て直し案として、本体をセリエA(航空部門)とセリエC(不良資産処理部門)にわけ、なんとかセリエAだけはどっかに買ってもらおう ということだったらしいけど、再建案として出される人員および賃金カットに組合がなかなか応じず、ゴネにゴネ、期限ギリギリでようやく決着。

というのが、大きな流れらしいです。(違ってたら誰か訂正してください~)


でねぇ、私が言いたいのは、この国の労働者の地位と待遇。
この国の労働者ってね、ものすごーく守られてると思うんですよ、日本なんかに比べたら。

まずこれはアリタリア云々とは関係なく、一般的にイタリアの会社で正社員になったら、

 ・よっぽどな理由無しに解雇されない。
 ・国で決められた職種によるレベルがあり、上がる事はあっても下がることはない。
 ・そのレベルによって最低賃金が保証されている。
 ・成果によらず、一度上がった給料は下がらない。
 ・有給休暇とは別に病欠がほぼ無制限に認められている。

どういうことかと言うと、一度それなりの給料をもらえる職についたら、後はどんなに働かなくても、どんなに仕事でミスをしようと、もらえる給料も待遇も、上がることはあっても下がることはないそうです。
極端な話、毎日会社に来てるだけで(来なくても?)まーるで仕事してなくても、職務怠慢って理由で減給とか降格ってことは、ないわけです。

そりゃぁ、仕事しなくなりますよね、みんな。。

更には最後の病欠ってのも、日本の会社だって長期療養みたいな制度はあるとは思いますが、イタリアの場合はただの風邪でもこの病欠を使って有休は使いません。
これはホーム・ドクターのところで診断してもらい、「何日休む必要アリ」って診断書だしてもらうだけ。
で、ホーム・ドクターなのでもちろんよく知り合いなわけですよ、子供の頃から。
なので実際には医者に「何日休みたい?」って聞かれて、言った日数書いてだしてくれるそうです、診断書。周り見てると、風邪で1週間 ってのが相場なようです。

でもそんな人ばかりじゃ会社自体が危なくなるだろう と素人考えでも思うのですが、当然そのとおりで、前に読んだイタリア産業レポートによると、規模が大きくなった会社ほど持たないのだとか。
会社の規模が大きくなると、労働組合も強くなるでしょうし、こういう法律で認められた権利を主張しやすくなるのではないかと。
その上、自分がサボっても影響は少ないだろう、バレないだろう って心理が働くのもある気がします。ま、仕事に息抜きは必要だ という理由で数時間のコーヒータイムや雑談も正当化されるようなので、本人達にサボってるという意識はないのでしょうが。:p

規模が大きくなった会社というのはそれなりの数の従業員がいるので、会社自体が潰れたらそれだけ困る人も多いだろうから、そうなったらさすがにみんなちゃんと働くようになるだろう と素人日本人は思うのですが、これまた日本人の私には理解不能なんですが、

 会社が危ない = 自分達の働きが悪いせい

という方程式はイタリア人の頭の中では成り立たず、

 会社が危ない = 経営者の能力不足

と直結するようで、経営者の能力不足のせいで自分達の待遇が悪くなる なんて理にかなわないことは認められない のだそうです。
もちろん会社がうまくいかない=経営者の判断が正しくなかった という理由はゼロではないでしょうが、全責任が経営者にある と考えてしまうところがイタリア的かなぁ と。
日本だったら、まず自分達には何ができるか、どこがまずいか ということを少しでも考え改善しようとすると思うんですが、そういう方向にはまるで行かない。
そもそも自分のモノでない会社で働くイタリア人にとっての仕事とは、「言われたをやりさえすればよい、言われていないことをやる必要はない」というものらしく、「改善」とか「自己啓発」なーんて言葉とは無縁。そりゃぁ会社も潰れるわ と正直思いますが。。

ということで、、”自分達の正当な権利を守るべく”、会社側が出してくる経営建て直しの為の経費節減や人員削減案などには、その県やら産業組合の労働組合が介入して断固反対、ショーペロ(ストライキ)決行 となり、アリタリアがそうだったように、このような会社再建案を実施するのもなかなか大変なようです。

それでも晴れて組合と妥結できた場合は人員カットに踏み切れるわけですが、ここで人員カットの対象になった人にはこんな特典がつきます。

 ・他の会社で優先的に雇ってもらえる。
 ・年単位で相当額の保証がもらえる。

この保証というのはイワユル失業保険のようなものらしいのですが、周りの人の話を聞いてると、年齢や勤続年数にもよるけど、その期間は3年だったり5年だったり定年までずっとだったり ととにかく長い。しかももらえる金額も、それだけで充分生活できるのでわ?というかなりの額。

でもそもそも会社の経営不振は自分達とは一切関係ないこと と頭から信じて疑っていないので、労働組合が介入し、この保証をもっともっと引き上げられるだけ上げた上で合意 となるらしいです。
もうね、「アンタ(会社)のせいで仕事がなくなったんだから、一生家族が食べるに困らない生活を保障して当然」って思ってるようにしか見えません。
こーいう考え方って、思いっきり社会主義的?

もちろんこの失業保険は次の仕事が見つかったらこれは打ち切りですが、全く働かなくてもこれだけもらえるなら、私だったらその期間仕事探そうとは思わないかも~ という感じ。

日本に比べたら、全然恵まれてると思いますけどね。
と言うと、日本は簡単に仕事が見つかるだろうけど、イタリアでは無理だもの、こんなのじゃ充分じゃないわ と。いやぁ~、いまや仕事がないのはイタリアも日本も同じだと思うんだけど。

それに周りの話を聞いてると「友達が仕事を探してたけど、片道車で30分もかかるところでしか見つからなくて、でも毎日そんなに通えるわけないでしょ、だからもう何年も仕事が見つかってないのよ」 とか。
片道30分って、なんで通えないの? と真顔で聞いたら、真顔で呆れられました。。。

うーん、わからない。。

とりあえずアリタリアは組合と妥結したようですが、そんなことしてる間に、スペインのイベリア航空はBA(ブリティッシュ・エアウェイズ)と合併交渉を始め、ヨーロッパで第3位の航空会社になろうとしてるようですね。
スペインに思いっきり抜かれてませんか?イタリア。。

しかもアリタリアの人員カットにより、国はかなりの額の失業保険を払うことになるようだけど、この国にそんなお金あるの?

次に潰れるのは、本当に国だったりして。。。
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by maccarello | 2008-10-25 01:34 | イタリアーナへの道

イタリアのトスカーナ、マルケ、スペインのバルセロナと周って、8年ぶりに戻った日本は信州から。

by さばぇ
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