Made in Italy
イタリアもご多分に漏れず Made in China のものは相当多く出回ってます。
それでも食べるものはまだまだイタリアのモノが多いみたいだけど、特に安い洋服類はもうほとんど中国製かその他のアジアや東欧製のもの。 それはメルカート(マーケット)なんかでも一緒なんだけど、少し前から洋服のメルカートであからさまに「Made in Italy」と大きく書かれたコーナーを見るようになりました。 そこに吊るされてる服を見ると、作りはとても安っぽく、お値段もとても安い。 で、売ってる店の人を見ると、ほぼ確実に中国人。 イタリア人もついに中国人に使われるようになったのか? と一瞬思ったんだけど、たぶんそうではなくって、少し前に何人かの方々のブログで紹介されてた、TVのドキュメンタリーの内容を思い出しました。 イタリアの有名なデザイナーズ・ブランドなどの工場はもちろんイタリアにあるんだけど、そこで働くのは全員中国人。 中国人が工場に住み込みで、朝晩もしくは朝昼晩交代で働いていて、その工場内はまるで中国にある中国の工場そのもの。イタリア国内にある工場で作っているのでそれはもちろん Made in Italy と言えるわけですが、たぶん「Made in Italy」という響きからこの光景は想像できないだろう といったもの。 これらの一連の記事を読んだ時(残念ながらTV番組自体は見逃した)、イタリア人もなかなかうまいこと考えるなー、さてはナポリ人か? とか思ったんだけど、おそらくそのアイデアを利用し発展させたのが中国人ではないかなー と。 この辺りも不景気で工場が次々と閉鎖され、その工場を買っているのが中国人なのだとか。 きっとそうやって買い取った工場で、中国で作っているのと同じデザイン・品質の服を中国人が作り、「Made in Italy」を売りにしてイタリアのメルカートで売ってるんだろうなー と。 ブランド物の話はそれでも会社自体はイタリアのもので、デザインなんかはイタリア人なんだろうけど、この場合はもうそこにイタリア人のデザインも技術も管理も何も入ってはいなくて、ただ場所がイタリアってだけ。 これまだイタリアの内情が見える位置に居るからわかるけど、例えばこうやって作られたモノが日本で売られてたら、まさかそんな事情は想像できないと思うんですよね。 だって洋服なんかで「Made in Italy」って付いてたら、やっぱりどこかで『イタリア人がひとつひとつ手作り』 とまではいかなくても、少なくともイタリア人のおばちゃんたちが楽しそうにお喋りしながら作ってる光景を思い浮かべちゃうし、その製品にイタリア人が一切絡んでいない とは、思わないと思うんですよね、私だったら。(それがいいかどうかは別として) 日本の企業が中国生産にどどっと移行したとき、設計もライン管理も日本人がやってる と頭でわかってはいても、「中国製」ってだけでなんか一瞬品質を疑っちゃう時期があったけど、それを逆利用した感じなのかなー と。 やっぱり中国人、頭いいなぁ。 まぁ、イタリア人の実態を知ってしまうと、個人的には工業製品なんかはいっそ「Made in Italy」よりも「Made in China」の方が安心できる気はするけど。:p こういうのってあくまでイメージなんでしょうけどね。 いまや「Made in Japan」だからって日本人が作ってるとは限らないでしょうけど、やっぱりどこかで日本人の品質管理が入ってる というイメージから、多少高くても品質に対する安心感を買う っていうのはあるので、いつか「Made in Japan」ってブランドに対しても、この「Made in Italy」と同じようなことが起こったら、なんか悲しいなぁ~。
by maccarello
| 2009-02-05 03:01
| イタリアーナへの道
|
Comments(10)
はじめまして。時々こちらのブログを拝見させていただいておりました。
おっしゃるとおり、Made In Italyは最近はMade In Chinaですね。 イタリアの工場で中国人が働く場合もありますが、私が知っているのは、 イタリア人が中国に常駐もしくは出張ベースで行き、中国で製造してコンテナでイタリアに持ってきて、タグだけ貼って世界各国へ輸出というパターンです。 船代を入れてもイタリア製造より安くつくんだそうです(欧州に売る場合は特にそうでしょうね)。 ちなみに私の知っている、この業者はナポリ人でした。 あ、あと日本は、業界にもよりますが、イタリアより早く、同じことをやっています。「世界が近くなる」の残念なバージョンですね。
0
Commented
by
maccarello at 2009-02-07 04:06
Delfinoさま:
こんにちは、ご訪問&コメントありがとうございます。:) Made in Italyと言うためには材料や製造工程で何割以上がイタで作られてないといけない って決まりがあるので、工場が中国の場合は途中まで中国で作って最終工程のみイタリア、又はイタ製の材料を中国に運んで作らないと「Made in Italy」とはつけられないはずですが、ナポリ人にそんなこと関係ない?^^; でもそれだと輸送費や人の移動費がかかって(モノにもよるけど)あまりコストダウンにはならないみたいですね。 かと言って今まで同様中国にある工場を使って作り自国に持ち帰って売る ってパターンだと、上記の条件をクリアできずMade in Chinaになっちゃうんですが、工場ごとイタリアに持ってきちゃえば製造工程で100%イタで作られてるので「Made in Italy」が問題なくつけられる ってところが新発想だなー と。 日本でもだいぶ前から工場で外人さんが多く働いてるのでしょうが、100%中国人で皆工場に住み、衛生面もまるで中国 という状態のところも、日本でもあるんでしょうかねぇ~。。 だとしたら怖いです。。
Commented
by
citronella
at 2009-02-07 14:54
x
こんにちは~。
こないだスーツを見に行ったら、「イタリア製生地使用」ってのがあって よーくタグを見たら、 Made in Chinaでした。中国産でも、 子供服は何かあったら不味いから結構チェックが厳しいらしい ですけどね。。 日本でも地方によってはかなり外国人労働者が多く(恐らく製造業従事)、スーパーでポル語が飛び交ってたりするところもあるようです。 全然関係ないですが、フランスの洋服は縫製が緩い気がします ア2エスとか
Commented
by
トーです
at 2009-02-07 21:58
x
Commented
by
maccarello at 2009-02-08 02:32
citronellaさま:
そのスーツの場合は、おそらく生地の質を考慮してイタリアから生地を 運び、人件費を考えて中国で作った ってパターンなのでしょうね。 もうこのご時世、「Made in ほにゃらら」っていうのはなんの判断基準にも ならないのかな と最近思うようになりました。 「Made in ほにゃらら」の表記って、昔はそれこそほにゃららって国で 作った=ほにゃらら国の人たちの技術を使って作った の意味で、 その国の信頼度とかその分野に対する技術度(生地ならイタリア、電化 製品なら日本みたいな)の判断基準になったんでしょうけど、 もう今となっては言葉どおりにただ作った場所を表すだけの意味しか なさないのかなー と。 消費側もそういうことまで考えて選ばないといけない時代なんですかねぇ~。。 私が以前住んでた日本の街も南米からの労働者が多く、 ポルトガル語しか書かれていないスーパーとかありました。 それはそれで近所の外国気分で結構楽しかったけど、 料理法がわからなくて何も買えませんでした。^^;
Commented
by
maccarello at 2009-02-08 02:39
トーさま:
読んでみた。 こわぁ~。 でも確かにイタリアも、特に北の方とかは、もう街の真ん中一等地にまで 中国語が書かれた店が並んでて、なんだか悲しくなりますよ。 だって荘厳なドゥオーモの目の前で中国雑貨とか売られても、悪いけど 雰囲気壊されるだけで嬉しくない。 まぁそれを言ったらスフィンクスの目の前にケンタッキーがあるのも どーよ ってことなんでしょうけどねぇ~。。 私も中国人の友達とかいたし、中国人てひっくるめて全部を悪く言いたくは ないんだけど、やっぱり彼らには、そこの土地の人に対する敬意 ってのが、 ないと思うんですよね。 例えば中国の一大観光地、万里の長城の周辺の店がみんなイタリアン になってしまったら、彼らだって嬉しくなければそこに観光に来た人たち だって嬉しくないと思うんですよ。 ってことなんて、考えてもみないんでしょうねぇ。。 世界が近くなるのは嬉しいけど、画一化された世界はつまらない。。 と思うのは、個人の勝手な思いなのかなぁ~。。。TT
Commented
by
トーです
at 2009-02-08 08:23
x
昔Beijingへ行ったとき、通訳を雇って観光しました。Beijingの町を歩きながら電車(地下鉄)の駅へ向かっているとき、とある町に入った。そこの家の壁にはヘブライ語のような文字が一面に書いてあった。「何だこの町は?」と通訳に聞こうと思った瞬間、通訳が「早く走って」って叫びながら行ってしまった。後で追いついたときに「何があった?」って聞いたら、「あの町は人攫いの町だから危ない!」って本気で言ってた。それから「本当の中国人は北京人だけで、数は少ない」って言っていた。そう、中国も移民の巣窟でいまやなに人何かはよくわからないようだ。
話は変わるけど、どうやら人類の源はアフリカだそうで、DNAから調べたから正しいらしいらしい。遠い昔、本の一握り(多くて1000人程度?)の移民が世界中にはびこったらしい。アフリカ以外の人たちは元来移動し繁殖するってDNAを持っているらしいよ。もしかして最初に移民したのはイタリアかも^^;近いしぃ。:-) そういえば「アフリカへいきたいなぁ」って漠然と思うことがあるけど、それって帰巣本能かもね^^;
こんにちは。
お誕生日だったんですね!おめでとうございま~す。 このお話、少しでもただ表示に騙されない、モノの良し悪しを見極める目を養わなければいけませんねー。 もちろん品質表示偽装とか、産地偽装等の嘘はアウトですが、 私としては、キチンと品質管理がなされて製作されていればナニ人が作っていてもOKです。それがなされていないので問題なのでしょうが。。。。 ところで、去年イタリアで中国産トマトの加工品をイタリア産の表示で売ってたってニュースがありましたよね?! さすがに、イタリア人にとって”トマト”は特別なモノだから私のイタ人友も嘆いていました。 今は、ちゃんと是正されているのでしょうか?
Commented
by
maccarello at 2009-02-10 02:36
トーさま:
中国人でも怖がる人種があるんだ! ってとこにちょいとびっくり。 思うんだけど、言葉が通じない 以上に、文字が通じない っていうのが 人の恐怖を誘うのかなぁ?旅行とか行ったとき。 どこでも我が物顔のアメリカ人も、中国だけは異様に怖がるみたい。 言葉が通じない上に文字も読めないから って。 ところでアフリカ人起源説。 以前某氏と語りあったんだけどさ、人の肌の色の違いは日焼け込みの 進化の結果なのか?ということ。 例えばアフリカ人が太陽があまり出ない国、例えばロシアに住んで、 でも血は常にアフリカ人同士で繋げると。 それでもそれを何代もそれを重ねたら、肌の色は白くなっていくのか?と。 でもアフリカ人起源説が本当だったら、そういうことだよねぇ? って話が変ってる?^^;
Commented
by
maccarello at 2009-02-10 02:36
vetrolunaさま:
ありがとうございます~。 もう誕生日がきて嬉しい年じゃないんですけどね、とっくに。 まぁイタ式ってことで。:p 何人が作っているからどう と人種差別的なつもりはないですが、 「Made in China」に躊躇する人が多いのは過去にそれなりの実例が あるからで、それを作ってる側もわかっているからあえて工場ごと他国に 持ってきて「Made in China」をつけずに売るわけですよね。 って思うと、そういう操作の必要性があるところに疑問を感じるんですよね。 トマトの件は確かに騒がれてましたね。 でも偽装したっていう点とは別に、そもそもナポリ産のトマトとどっちが 安全なんだ?って話もあって、なんかもうわけわかんないです。TT |
イタリアのトスカーナ、マルケ、スペインのバルセロナと周って、8年ぶりに戻った日本は信州から。
by さばぇ
押していただけると 嬉しいです。:) カテゴリ
タグ
La vita (日常)(192)
Il viaggio(旅行)(129) Il cibo(食べもの)(118) La roba(もの)(71) La lingua(言葉)(32) La ricetta(レシピ)(21) La musica(音楽)(21) Il giro di BCN (バルセロナ観光)(18) La procedura (手続き)(8) Il Libro (本)(7) 以前の記事
お気に入りブログ
イタリア生活日記ブログ+...
今夜もeat it nikkikki うちの食卓 Non so... どんとこい自分 たとえばこんな■イタリア語 ケロ美のイタリア語習得の... ミラノな日々 ほんの日常(北イタリアにて) ラ ドル知ヱ 美ータ。 らびたえ Caccolina日記 songs from ... くいしんぼうの記録 ボローニャとシチリアのあいだで お友達&お気入りブログ
いたりあ~なへの道 サイト編
いたりあ~なへの道 Tool編 リヴォルネーゼへの道 ブクログ あとむの正直日記 人として、母として、女として、 ことぶ記 RAGAZZA elettronica Guitare :) T::Blog :-) 英語・音楽教室ミューレ 夢と小物のエンジニアリング ゆっくり歩いて Pendenza 20% あざみ野 KARUTA■ONEDAY■ しましま考 いにしへ長屋 kotoe.com 番外編 ばいらびごと ぼんでぃあ-バルセロナ駐在記 口は災いの素 ダーリンはイタリア人 みりあのイタリア語メモ ローマの平日@裏話 イタリア留学絵日記 イタリアよもやま話 日伊文化交流協会 VIVA L'ALLEGRIA !!! 自転車娘フィレンツェを行く MIKAのBLOG Dolcissima Vita La mimosa ☆☆☆☆☆☆☆ それでもイタリアなワケ 【Judge Not】ジャッジ・ノット うそこ日記 その他のジャンル
ブログパーツ
検索
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|